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豊田市美術館【ジャコメッティ展】についてあれこれ [アートレクチャー]

PROJECT K : Kikko & Yuuki & Micchanの アナログブログ
2017.12.05(執筆担当:Yuuki)たぶんVol.330
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10月17日に私Yuukiが書いたアナログ・ブログで、
『芸術の秋なので、12月24日(日)まで 豊田市美術館で開催中の【ジャコメッティ展】は是非とも観に行きたいです!!』…と書いたのですが、
今月の頭に実際足を運んで参りましたので、今回はその感想をお届けしたいと思います。
展覧会のサイト.png

まず、今回発見したこと。それは・・・『ジャコメッティ作品の神髄は、「鼻」にある!!』

一見すると“骨と皮だけ”にみえ、表情も薄いと思われがちなジャコメッティ作品ですが、実物を目の前にしてみると、作品ひとつひとつの表情は非常に豊かで、人物ひとりひとりの“個性”が見事に表現されていたことに驚きました!

そして、その“豊かな表情”と“個性”を演出している大きな要因が、「鼻」なのではないかと、私は感じたのです。

数々のジャコメッティ作品を見比べてみますと、

①「鼻」が出っ張って凸っている作品
ジャコメッティ_【ディアーヌ・バタイユの胸像】(1964 or 80).jpg
ジャコメッティ【ディアーヌ・バタイユの胸像】(1964 or 80)

②「鼻」が引っ込んで凹っている作品
ジャコメッティ 【大きな像】.jpg
ジャコメッティ【大きな像】

に大きく分けられることに気が付いたんですよね~。
そして、

①「鼻」が出っ張って凸っている人物表現の作品
⇒ 自分に自信があり、一癖ありそうな雰囲気。時々「天狗」な人物にみえる場合も。

②「鼻」が引っ込んで凹んでいる人物表現の作品
⇒ 慎ましやかで品のある雰囲気。 出しゃばらずども、芯のある人物にみえる。

という違いがザックリいうとあるように感じたのです!

そういえば、人の“美醜”を左右するのは、目元よりも、実は「鼻」だという話を聞いたことがあるなぁ…。
しかも、人の性格を示す慣用句にも、「鼻」を用いたものが一番多いかも!
「鼻持ちならない」とか、「鼻を高くする」とか、「鼻をへし折る」とか。

そう思うと、ジャコメッティ作品に限らず、人の顔の印象を大きく左右するのは、「鼻」なのかも!!

むしろ、一見すると“骨と皮だけ”にも見える表現を追究したジャコメッティだからこそ、顔中の“柱”ともいえる「鼻」というパーツが強調されて残ったのかもしれませんね。

そのことは、ジャコメッティが彫刻のために描き起こしたデッサンでも見て取れました。
ジャコメッティ 【マルグリット・マーグの肖像】.jpg
↑ジャコメッティ 【マルグリット・マーグの肖像】

このジャコメッティのデッサンで、初めて私は
「近くで見ると鼻が立体的に凸って見えて、遠くでみると鼻が凹んで見えるデッサン」

をみました!
(※普通は逆。普通は、近くだと平坦で、遠くだと立体的にみえる。)


彫刻は、作品に近づいて見ることの多い芸術。
だから、近くで見たときのことを考えて、その下準備であるデッサンの時点で、一番主張しているパーツの標準を「鼻」に合わせていたのかもしれませんね。

確かに比喩表現かもしれませんが、きっとドヤ顔している時って「鼻が高く」なっているかもと、ジャコメッティの作品をみて思わずにいられませんでした。

でも、きちんと実力のある人は、あえて鼻を高々と見せつけなくとも、周囲に伝わるもの。

品と芯のある大人を目指す者としては、鼻が凹んでいるジャコメッティ作品を見本にしていきたいです!

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